サラダや炒め物の材料として、よく使われるブロッコリーは、カリフラワーやキャベツと同じアブラナ科の野菜だ。地中海沿岸が原産地といわれ、日本へは明治時代に入ってきた。ビタミンCなど栄養が豊富なことが分かって、身近になったのは、最近のことだ。
栄養分をみると、100グラム当たりビタミンCが120ミリグラムとレモンより際だって多い。このほかカリウム360ミリグラム、カルシウム38ミリグラム、βカロチンなどが豊富だ。
米国のジョンズ・ホプキンス医科大学でがん予防に取り組むポール・タラレー博士は、ブロッコリーに含まれる抗酸化物質の「スルフォラファン」にきわめて抗がん効果があるとあきらかにした。
それによるとスルフォラファンは、ヒトの大腸がん、前立腺がんの培養細胞にアポトーシス(自発的な細胞死)を起こさせ、ラットやマウスで胃がん、乳がん、大腸がんの腫瘍形成を抑制する働きがあるという。
どの程度の量を食べれば、がんに効果があるのかについて、タラレー博士は「私たちの研究では1週間に750㌘程度のブロッコリーを食べれば、大腸がんが2分の1に減ることが分かっているが、これは、これはブロッコリーだけではなく、日々いろんな野菜を食べ、その相互のバランスで効果が出るので、ブロッコリーを食べたからといってすぐに効果があるのではない」と話した。
このほか、イオウ化合物の一種、イソチオシアナートという成分が含まれていて、発がん物質が体内で活性化されるのを防ぐ作用があることが分かるなど、健康にいい機能性成分がいろいろ含まれている。 |